スネルの法則・屈折率・臨界角計算
スネルの法則(屈折の法則: n₁ sin θ₁ = n₂ sin θ₂)による屈折角・反射角・相対屈折率・光速比・波長比を計算。全反射(TIR)の判定と臨界角(θc)、水深からのスネルの窓、光ファイバーの開口数(NA)と受光角まで動的光路図つきで確認できます。
媒質と入射角の設定疎 → 密(屈折光は法線側へ)
スネルの法則の代入展開と光の進み方
n₁ × sin(θ₁) = n₂ × sin(θ₂) → 1.0003 × sin(45.0°) = 1.3330 × sin(θ₂)
sin(θ₂) = (n₁ / n₂) × sin(θ₁) = (1.0003 / 1.3330) × 0.7071 = 0.5306
θ₂ = arcsin(0.5306) = 32.04°
光が屈折率の小さい媒質(疎)から大きい媒質(密)へ進むため、光速が遅くなり、光線は法線(境界に垂直な線)に近づく向きに曲がります(θ₂ < θ₁)。この場合、全反射は起きず光線は常に透過します。
使い方
- 1
計算モードを選ぶ
屈折角とスネルの法則、全反射と臨界角、光ファイバー・開口数(NA)から選びます。
- 2
媒質と入射角を設定する
媒質1(空気・水・ガラス・ダイヤなど)と媒質2の屈折率、および入射角 θ₁ [°] を指定します。
- 3
屈折角・臨界角・光路図を確認する
屈折角 θ₂、反射角、相対屈折率 n₁₂、波長比、全反射の有無、動的SVG光路図をリアルタイムで確認できます。
このツールの特長
- スネルの法則による屈折角 θ₂、反射角、相対屈折率 n₁₂、光速比、波長比の計算
- 主要光学物質(真空、空気、水、エタノール、クラウンガラス、フリントガラス、ダイヤモンド)の屈折率プリセット
- 法線、界面、入射光線、屈折光線、反射光線、角度弧を動的描画するSVG光路シミュレータ
- 全反射(TIR)のリアルタイム検知と警告表示、屈折光消失アニメーション
- 臨界角 θc の算出と、水深 h からの水上視野円「スネルの窓」の半径・直径の計算
- 光ファイバーの開口数(NA)、最大受光角 θ_max、コア/クラッド臨界角の算出
- 屈折の法則の連立比率と途中計算式、符号・屈折方向の判定根拠を展開表示
- すべてブラウザ内で完結。個人情報の収集・外部送信なし
こんな場面で便利
高校物理・大学基礎物理の学習と演習
スネルの法則の公式の上下関係(n₂/n₁ と sinθ₁/sinθ₂)の混同をなくし、光路図と合わせて答え合わせできます。
全反射と臨界角・ダイヤモンドの輝きの理解
なぜダイヤモンド(θc = 24.4°)が強く輝くのか、水中で全反射が起きる角度の条件を直感的に探究できます。
光ファイバー・光学機器の受光角設計
コアとクラッドの屈折率から開口数(NA)と端面の最大受光角を素早く検算・シミュレーションできます。
詳しい説明
スネルの法則(屈折の法則)は、光や波が異なる媒質の境界を通過する際、入射角 θ₁ と屈折角 θ₂ の間に成り立つ物理法則「n₁ × sin(θ₁) = n₂ × sin(θ₂)」です。1621年にオランダのヴィレブロルト・スネルによって再定式化されました。
光の屈折は、媒質ごとに光速(位相速度)が異なるために生じます。真空中の光速を c とすると、屈折率 n の媒質中の光速は v = c / n です。屈折率比(相対屈折率)は n₂ / n₁ = sin(θ₁) / sin(θ₂) = v₁ / v₂ = λ₁ / λ₂ と表され、屈折率の大きい媒質(光学的密)に入ると光速が遅くなり波長が短縮するため、光線は法線(境界面に垂直な直線)側に曲がります。
光が屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進む場合(n₁ > n₂)、屈折角が90°となる入射角を「臨界角(Critical Angle: θc)」と呼び、θc = arcsin(n₂ / n₁) で計算されます。入射角が臨界角を超えると(θ₁ ≥ θc)、光は境界を透過できずエネルギー損失なく100%反射する「全反射(Total Internal Reflection: TIR)」が起こります。
水中から水面を見上げたとき、臨界角(水→空気で約48.6°)以内の円錐状の視野を通してのみ水上の全景が見え、その外側は水底が鏡のように全反射して見えます。この円形視野を「スネルの窓(Snell’s Window)」と呼び、水深 h に対する視野円の半径は r = h × tan(θc) で求められます。
光ファイバーはこの全反射を利用した通信技術です。高屈折率のコア(n_core)を低屈折率のクラッド(n_clad)で覆う構造になっており、端面から受光可能な最大半角 θ_max(受光角)は開口数 NA = √(n_core² - n_clad²) = n₀ × sin(θ_max) で定義されます。NA が大きいほど多くの光を取り込んで導波できます。
本ツールは、スネルの法則の数値計算にとどまらず、法線・界面・入射光・屈折光・反射光・全反射アラートをSVG幾何光路図として動的描画し、高校物理の演習から工学設計まで直感的な理解を支援します。
よくある質問
スネルの法則で「光がどちらに曲がるか」はどう判断しますか?
屈折率の小さい媒質(疎)から大きい媒質(密)へ進むと光速が遅くなるため、光線は「法線(境界面に垂直な線)に近づく向き」に曲がります(θ₂ < θ₁)。逆に密から疎へ進むと光速が速くなり「法線から遠ざかる(境界面に近づく)向き」に曲がります(θ₂ > θ₁)。
全反射が起こる条件は何ですか?
2つの条件が必須です。(1) 光が「屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ」進むこと(n₁ > n₂)、(2) 入射角 θ₁ が臨界角 θc = arcsin(n₂ / n₁) 以上であること(θ₁ ≥ θc)。空気から水に入るような「疎から密」では絶対に全反射は起きません。
スネルの窓(Snell’s Window)とは何ですか?
水中から水面を見上げたとき、全反射が起きない角度(臨界角 約48.6°以内)の円錐状の視野を通してのみ、水上の地上の景色が円形に丸く見えます。この円の外側は全反射により水底が鏡のように映ります。この水上の見える円形領域をスネルの窓と呼びます。
光ファイバーの開口数(NA)とは何ですか?
開口数(Numerical Aperture: NA)は、光ファイバーがどれだけ広い角度の光を取り込んで導波できるかを表す無次元量です。NA = √(n_core² - n_clad²) で定義され、空気中の最大受光角 θ_max は sin(θ_max) = NA となります。
屈折したとき、光の振動数(周波数)や色は変わりますか?
変わりません。光が媒質に入っても振動数 f は不変です。光速が v = c / n に減速するため、波長が λ = v / f = λ₀ / n と屈折率に反比例して短くなります。
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今日の豆知識
スネルの法則はオランダのヴィレブロルト・スネルが1621年に発見したとされますが、実は西暦984年にバグダードの数学者イブン・サフルが屈折の比率を初めて記述していました。現代ではこの法則に基づく「全反射」によって、大陸間海底光ファイバー網の超高速データ通信が支えられています。