レンズの公式と結像計算
凸レンズ・凹レンズの結像位置(像距離 b)、実像・虚像、正立・倒立、倍率 m をレンズの公式(1/a + 1/b = 1/f)と光路図で計算。眼鏡の度数(ディオプター D = 100/f)や2枚の合成レンズにも対応します。
レンズと物体の設定凸レンズ (集光)
レンズの公式への代入展開と符号の根拠
1/a + 1/b = 1/f → 1/20.0 + 1/b = 1/10.0
1/b = 1/10.0 - 1/20.0 = 0.1000 - 0.0500 = 0.0500 → b = +20.00 cm
m = -b/a = -(+20.00) / 20.00 = -1.00
物体が焦点の外側(a > f)にあるため、レンズを通過した光が後方に実際に集まり、上下左右が反転した「倒立実像」を結びます。像距離 b > 0(実像)、倍率 m < 0(倒立)となります。
使い方
- 1
計算モードを選ぶ
レンズの公式と結像・光路図、度数(ディオプター)換算、2枚の合成レンズから選びます。
- 2
焦点距離と物体距離を入力する
凸レンズ(焦点距離 f > 0)または凹レンズ(f < 0)と、レンズから物体までの距離 a を設定します。
- 3
結像位置・倍率・光路図を確認する
像距離 b、実像・虚像、正立・倒立、倍率 m、および3本の代表光線(平行光・中心光・焦点光)の光路図をリアルタイムで確認できます。
このツールの特長
- 凸レンズ・凹レンズの結像計算(像距離 b、倍率 m、実像/虚像、正立/倒立)
- 3本の代表光線(平行光・中心光・焦点光)を動的描画するSVG光路図
- 代表的な配置(等倍実像、拡大実像、虫眼鏡虚像、凹レンズ虚像など)のワンクリックプリセット
- 眼鏡の度数(ディオプター D)と焦点距離 f [cm/m] の双方向換算
- 近点距離と調節力から必要な老眼鏡度数(+D)の目安計算
- 2枚の薄肉レンズの合成焦点距離(密着・任意間隔 d)の計算
- 公式への代入過程と符号の判定理由をステップ形式で可視化
- すべてブラウザ内で完結。個人情報の収集・外部送信なし
こんな場面で便利
高校物理・大学基礎物理の学習と演習
レンズの公式の正負の符号(実像・虚像・倒立・正立)の混同をなくし、光路図と合わせて直感的に理解・検算できます。
眼鏡・コンタクトレンズの度数理解
処方箋や眼鏡の度数(-2.50Dや+1.50D)が何cmの焦点距離に相当するかを簡単に把握できます。
光学系やカメラ・顕微鏡の合成焦点距離
2枚のレンズを組み合わせた場合の焦点距離や合成ディオプターのシミュレーションに役立ちます。
詳しい説明
レンズの公式(写像公式)は、物体からレンズまでの距離 a、レンズから像までの距離 b、焦点距離 f の関係を表す光学の基本法則「1/a + 1/b = 1/f」です。幾何光学において厚みを無視できる薄肉レンズで成り立ちます。
符号の約束(規約)として、凸レンズでは焦点距離 f > 0、凹レンズでは f < 0 と定めます。物体はレンズの前方(a > 0)に置き、計算された像距離 b が正(b > 0)ならレンズの後方に「実像」、負(b < 0)なら物体と同じ側に「虚像」ができます。倍率 m = -b/a で表され、m が負なら「倒立」、正なら「正立」、絶対値 |m| が像の大きさの比率となります。
凸レンズでは、物体が焦点の2倍より遠い(a > 2f)ときは縮小倒立実像、2倍の位置(a = 2f)では等倍倒立実像、焦点と2倍の間(f < a < 2f)では拡大倒立実像が生じます。物体が焦点の内側(a < f)に入ると光線は透過後に広がり、後方に延長した交点に拡大正立虚像(虫眼鏡・ルーペの原理)ができます。凹レンズ(f < 0)では、物体をどこに置いても常に縮小正立虚像ができます。
眼鏡やコンタクトレンズの屈折力(度数)には「ディオプター(Diopter, 記号: D)」が用いられます。焦点距離 f(メートル単位)の逆数で定義され、D = 1 / f [m] = 100 / f [cm] です。老眼鏡などの遠視・手元用レンズは凸レンズ(+D)、近視矯正用レンズは凹レンズ(-D)となります。例えば -3.00 D の近視用レンズは焦点距離 -33.33 cm の凹レンズを意味します。
2枚の薄肉レンズを間隔 d で配置した場合の合成焦点距離は、1/f_comb = 1/f₁ + 1/f₂ - d/(f₁ × f₂)、すなわち f_comb = (f₁ × f₂) / (f₁ + f₂ - d) で求められます。2枚を密着させた場合(d = 0)は、合成屈折力は各レンズのディオプターの単純な和(D_comb = D₁ + D₂)となります。
本ツールは、公式の計算だけでなく、平行光線・レンズ中心を通る光線・焦点を通る光線の3本の代表光線を動的にSVG光路図として描画し、視覚的な直感と数値計算を同時に確認できる学習・設計支援ツールです。
よくある質問
レンズの公式で「実像」と「虚像」はどう見分けますか?
計算された像距離 b が正(b > 0)ならレンズの後方に光が集まる「実像」で、スクリーンに投影できます。b が負(b < 0)なら光がレンズ通過後に広がり、後方に逆向きに伸ばした点から出ているように見える「虚像」で、スクリーンには映りませんが直接覗き込むと見えます(虫眼鏡で見る像など)。
物体をちょうど焦点位置(a = f)に置くとどうなりますか?
レンズを通過した光線が平行光線になるため、有限の距離では結像しません(b = ∞)。公式 1/b = 1/f - 1/a = 0 となり、像は無限遠にできます。サーチライトやコリメーターはこの性質を利用しています。
倍率 m のマイナス符号は何を意味しますか?
倍率は m = -b/a で定義されます。m < 0 のときは像の上下が逆になる「倒立像」、m > 0 のときは像の上下が同じ「正立像」を表します。像の大きさの比率は絶対値 |m| で表されます。
眼鏡の度数「-2.00D」とは何ですか?
ディオプター(D)は焦点距離(m)の逆数です。マイナスは凹レンズ(近視用)を表し、焦点距離は 100 / (-2.00) = -50 cm となります。つまり50cmより遠くにピントが合わない目を、無限遠までピントが合うように補正するレンズです。
2枚のレンズを重ねると焦点距離はどうなりますか?
2枚の薄肉レンズをぴったり密着させた場合、屈折力(ディオプター)は単純に足し算(D_comb = D₁ + D₂)になります。焦点距離で表すと 1/f_comb = 1/f₁ + 1/f₂、すなわち f_comb = (f₁ × f₂) / (f₁ + f₂) となります。
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すべての処理はブラウザ内で実行されます。ファイルがアップロードされることはありません。
検証: 等倍実像(a=20, f=10→b=20, m=-1.0)、拡大実像(a=15, f=10→b=30, m=-2.0)、虫眼鏡虚像(a=6, f=10→b=-15, m=+2.5)、凹レンズ(a=30, f=-15→b=-10, m=+0.333)、ディオプター換算(+2.5D→40cm, -3.0D→-33.33cm)、合成レンズ(f1=20, f2=30, d=0→f=12cm)と焦点位置エラー処理をテストで確認
今日の豆知識
17世紀のレーウェンフックは、焦点距離わずか1mm未満の微小な球状ガラス玉(単レンズ)を自作し、200倍以上の拡大率で細菌や微生物を人類史上初めて観察しました。焦点距離が短いほどレンズの屈折力(ディオプター)は大きくなります。